
汚れを溜めないためのクイッククリーン
無事に自宅のガレージや駐輪場に辿り着き、エンジンを止めた瞬間の安堵感は、ライダーにとって特別なものです。しかし、ツーリングは家に帰るまでが遠足と言われるように、バイクを労ってあげるまでが本当の終わりではありません。長く愛車と付き合い、次の旅を安全に楽しむためには、帰宅直後のちょっとしたメンテナンスが欠かせません。
長距離を走った後のバイクには、砂埃や排気ガス、虫の死骸などが想像以上に付着しています。これらを放置すると、固着して落ちにくくなったり、塗装を傷めたりする原因になります。本格的な洗車が難しい時間帯であっても、せめてフロント周りやミラーだけでもサッと拭き取っておくのがおすすめです。
特に雨の中を走った後は、水分が錆を招くため、乾いた布で水気を拭き取るだけでも大きな差が出ます。また、ホイール周りの汚れを拭き取りながら、タイヤに異物が刺さっていないか、空気圧に違和感がないかを目視で確認することも大切です。
このとき、ただ綺麗にするだけでなく、車体全体を眺めることで、ネジの緩みやオイル漏れなどの異変にいち早く気づくことができます。愛車との対話を楽しむような気持ちで、汚れを落としてあげましょう。
チェーンの注油と可動部のチェック
ツーリングで数百キロの距離を走ると、チェーンの油分が飛んでしまったり、汚れを巻き込んだりしています。チェーンの潤滑不足は走行性能の低下だけでなく、燃費の悪化や騒音、さらにはチェーン自体の寿命を縮めることにも繋がります。
帰宅直後はチェーンが適度に温まっているため、ルブ(潤滑油)が浸透しやすい絶好のタイミングです。古い汚れを拭き取り、丁寧に注油を行うことで、次回の走り出しが驚くほどスムーズになります。
あわせて、ブレーキレバーやクラッチレバーの動きに引っかかりがないか、灯火類がすべて正常に点灯するかを確認しておきます。旅の記憶が新しいうちに「少し操作が重かったかな」と感じる部分を調整しておくことが、次回のトラブルを未然に防ぐ鍵となります。
キャンプ道具や装備品の整理と陰干し
バイク本体のケアが終わったら、次は共に旅をした装備品のメンテナンスです。キャンプツーリングを楽しんだ後は、テントやシュラフをそのままにせず、必ず袋から出して陰干しをします。見た目は乾いているように見えても、結露や人の体温による湿気が残っていることが多く、そのまま放置するとカビの原因になります。
また、雨天走行で濡れたレザージャケットやグローブも、直射日光を避けた風通しの良い場所でじっくり乾かします。ヘルメットの内装も、汗を吸っている場合は取り外して洗うか、除菌消臭スプレーをして乾燥させることが、清潔さを保つ秘訣です。
こうした道具の整理をしながら、今回の旅で使わなかったものや、逆に「これがあれば良かった」と感じたものをメモしておくと、次回のパッキングがより洗練されたものになります。道具を整える時間は、次の旅への準備時間でもあるのです。